理念の渦。

ZZ見終わりました。

面白かったです。

前半の人を小馬鹿にしたような展開はなくなって、結構ハードだったんですが、みんなそれなりに成長している感じがして面白かった。


なんつーか、理念が渦巻いている感じがします。


それは、ガンダム世界が理念の渦の中で右往左往する人たちの物語っていうことでもあるんですが、現実世界の中でも理念が渦巻いていて、前が見えなくなってしまいます。

理念は実体化します。

しかも、実体化した上で、自分と同一化もします。

同一化すると、自己が延長的に肥大してしまう。

たとえば、自己啓発本とか読んで、より良い生き方を見つけて、それを実践しようとすると、本に書かれている理念に自己が同一化してしまって、何が生の現実として自分の身に起こっているのかわからなくなってしまいます。

現実だけを見つめると、そのランダムさが観て取れます。

現実の外側に立って世の中を見ることは、観念の世界で類推しているのと大して変わらなくなってしまう。
良く生きようとか、幸福になろうとか、日々の出来事に幸せを感じるように生きようとか、人のために生きようとか、そうした理念と自分とを同一視することは可能だし、世の中を生きていくためには必要な対処技能なんですが、現実の無常なランダムさは自分を見逃してはくれません。

で、だからどうしろってこともないんですが、そこで凝視しないといけないのは関係性です。
システムっていうかストラクチャーっていうか、世界の真偽を問う視点ではなく、真偽の関係性を問うような視点です。

理念化の根っこを見つめると、そこにはランダムな現実と関係性が観て取れて、その関係性の構造を絵解きをするように読み解かないとならないんですが、けっこう骨が折れることです。

・・・真実の世界と嘘の世界を想定して、考えを進めていったほうが、強く深く考えている気分にはなりますが、理念の渦に巻き込まれて前が見えなくなってしまう危険性があります。

で、ZZのジュドーは、理念的な視点から戦いをしていなかったってところが巧みなところで、彼のいる場所っていうのは、ナノレベルの現実なんです。

で、さらに関係性から見ると、ハマーンの役割もジュドーの役割も、そうせざるを得ずそうしてしまっているという現実があり、どちらも、“そうでしかない”としかいえないんです。

ということは、僕たちは関係性の中で行動を取らざるを得ず取ってしまっているといういことを説明しないとならないんですが、その説明のためには手持ちのこまが少ないんで、まだ説明できません。
多分、単純に心理学の道をとればいいんですが、客観科学の視点では述語が足りず、かといって、宗教的な視点も原理は客観科学的な視点とほとんど変わりがなくなってしまうので、やっぱり述語が足りません・・・困ったw