“監視人(かんしじん)”。

※メソ・イグニクゥオ。(http://blogs.yahoo.co.jp/nanonoid/33996426.html)の続き。


“境界線”や “太陽系ディフェンスシステム”をつくった人たちのことを、仮に“監視人(かんしじん)”と呼んでみます。

“監視人”が“太陽系ディフェンスシステム”や“境界線”をつくったことには理由があります。

それは、確率にまつわる理由です。

そのことを調べるために、すぐそこにある“事象のアーカーイブ”を開いて、過去のレコードを探ってみます。
その記録を確認すると、どうやら、知性は他の知性の関わりによって生まれてくるようです。
なぜなら、まったくの自然の中で、自然発生的に知性が発生したという事例は、アーカイブのどこにも見当たらないからです。
まるで、お産婆さんに取り出される赤子のように、相関者の手助けがなければ、知性は発生しないようなのです。

ですが、その事実を認めると、知性の起源をはどこにもないことになってしまう。

そもそも、知性の手助けがないと知性は生まれないわけだから、知性には始まりがないことになってしまう。

そうした難問に突き当たった“監視人”たちは、ある臨床実験を行うことにしました。
それは、まったく他の知性の干渉なしに、知性は生まれるのか?という、壮大な実験です。

そのためには、巨大な実験箱が必要です。

とりあえず、なんだか知らないけど、太陽系が実験箱に選ばれました。

実験を成功させるためには、この実験箱に他の知性が侵入してこないように、境界をつくらなければなりません。
それが、はるか冥王星の先にある“境界線”です。

そして、この実験を妨げるような隕石の惑星衝突は避けなければなりません。
そのため、太陽系の小惑星には隕石の惑星衝突を防御するための“太陽系ディフェンスシステム”が築かれました。

もし、“監視人”が太陽系に在住し、これらのシステムを監視したとしたら、その行為自体、地球における知性の進化に、「“監視人”が観測する。」という観測効果を与えてしまいます。
ですので、太陽系に“監視人”がシステムを作り上げたという痕跡を残してはいけません。
“監視人”がどんな生き物で、どんな世界像をもっているか、何一つ太陽系に残してはいけないのです。
ですので、“監視人”たちは、この箱を作り上げた時点で太陽系からいなくなりました。
そして、この実験を厳密にするために、“監視人”たちは地球を離れてから、実験箱のシステムを作動させました。
そうしたわけで、この実験箱システムを作り上げた“監視人”自身、このシステムに阻まれて、太陽系の中には入れません。


“監視人”たちは、忍耐強く、ただひたすらに待ちます。


太陽系に自然発生的に知性が生まれ、実験箱システムの謎を解き明かし、“境界線”の外に人類が飛び出してくるまで、じっと待っています。。。


さて、その後、地球上に人類が誕生したのですが、その知性が、はたして自然発生的に発生したものなのか、それとも、この“境界線”や“太陽系ディフェンスシステム”をくぐり抜けてやってきた他の知性の手助けによるものかは、いまだに謎です。
“事象のアーカイブ”を調べても、なぜかその部分の記録がなく、確認のとりようがないのです。

とても昔に、“知られない教団”は“境界線”や“太陽系ディフェンスシステム”にたどり着き、なんとかその役割を解き明かすことに成功しました。
そして、長い間、人類の知性を守るために維持してきました。

しかし、例の金星の大騒動以降、“境界線”や“太陽系ディフェンスシステム”にたどり着く技術も衰退したため、そのシステムをメンテナンスすることもできなくなりました。
そのため、実験箱システムは崩壊の一途をたどっています。
その証拠として、1947年7月以降、地球上では他の知性の到来を予感させる出来事が次々と起こっています。

はたして、今現在地球上に到来している知性が、この実験箱システムを作り上げた“監視人”たちなのかどうか?、それを知ることは難しいですが、ただ不安に思うのは、この巨大な臨床実験が成功したのか?、失敗したのか?、ということです。
もし、失敗していたのなら、“監視人”たちは人類に対して、どんな決断を下すのでしょうか?

だがしかし、“事象のアーカイブ”には、人類の進化に関わる記録が抜けているのです。。。




・・・三流SF的www