巨視的な視点。

大抵のことは暑さのせいです。

やる気が起きるのも起きないのも、妬みや嫉みがMAXになるのも、深夜に取り壊す前の実家のビデオを見て泣くのも、暑さのせいなのです。
車に搭載していた壊れていた携帯型のナビが、なぜか電波を受信するようになりました。なぜこれまで受信せず、なぜ突然受信しだしたのか、その理由はわかりませんが、とりあえずは暑さのせいなのです。

暑いのですが、今日の僕はお休みであり、ここのところ休日は無目的に出かけてばかりいて、暑さのせいでぐだぐだになり、疲れがまったく取れなかったので、今日は家にじっとひきこもって、DVDでもみようと思いました。
そのためには、食料を買い込まなければなりません。好きなDVDを見るときはマックの食料にしなければなりません。本物のビールを飲むと寝ちゃうので、ビールの擬態も購入しなければなりません。

なので。

僕はこんな暑さなんてもろともせず、マックとコンビニに向かいました。






ね ず み が 死 ん で い た。






大抵のことは暑さのせいなのです。

マックとコンビニに寄った帰り、上を向いて歩いていたのです。
その時思ったことは、実家のビデオのことと、現在についてです。僕は現在のアパートに住んでもう6年になるのですが、そんなに家の周りのことを知りません。上を向いて歩いていたら、案外近くに立派なマンションがあったり、裏道には「散歩進入禁止」があったり、電線が右往左往張り巡らされたりしていました。僕は、「ああ。僕は僕の身の回りのことしか見えてなかったのだ。こんなふうに上を向いて辺りを見回すと、案外面白い発見があるものだ。あの散歩禁止の看板なんて、ドラマがあったに違いない。きっと、散歩で進入を繰り返して迷惑をこうむった出来事があったのだ。6年住んでいるがおもしろいものだ」などと思って、少しだけ予兆的な気分になったのですが、ふと道端に視線を投げかけると、ねずみが死んでいた。

そのねずみの死にようといったら傑作で、車か何かに轢かれてぺしゃんこになっていたのだけれども、まるでアニメのキャラクターのように、デフォルメされた感じだったのです。
大きな目とかわいらしい口がそのまま引き伸ばされたような、デフォルメされた感じだったのです。
たぶん冬場ならこうはならなかっただろうけど、暑さのせいか、轢かれた姿のまま干からびてしまっていました。

おもしろいねずみだったので、写真でも撮ろうかと思ったのだけど、さすがに35歳の男性がマックで購入した食料とコンビニで買った食料と飲料を手に持ったままへらへらしながら死んだねずみを撮影しているという姿はどうかと思ったのでやめました。

そして、今からなんかDVDでも見ながら食料と飲料を食べたり飲んだりします^^