『仮面ライダーアマゾンズ 最後ノ審判』の感想。

仮面ライダーアマゾンズ 最後ノ審判』観てきた!面白かった!

いや、もちろん手放しでってことはなくって、やっぱりいろいろ言いたくなってしまうところはある。まず、話がこじんまりし過ぎているってところ。なんか山の中の小さな村の出来事であって、そんなに切迫感がなかったりするのね。で、ほぼCGなしの特撮ってのも、“予算があんましないのかなぁ”とか思えてしまう。それでも観て良かったなと思えるのは、何よりテーマなんだ。

アマゾンズをずっと貫いてきたテーマってのは、“既に世界に投げ出されてしまっている自分の在り方をどうやって引き受けていくか”ってところなんだ。で、問題なのはこの“投げ出された在り方”ってのが、とうてい了解できるもんじゃないってところ。その在り方ってのは、倫理・道徳といった、理念的な在り方とはかけ離れたものなんだ。主役たちは、そうした理念的価値観に寄って立つ生き方とはぜんぜん別の生き方をせざるを得なくなってるの。だからこそ、そこにドラマが生まれるわけなんだけどね。

でね、今回の映画で好感がもてたのは、このアンチな在り方を、変に合理化して了解可能なものに仕立て上げたりしてないってところ。最後まで、アンチな在り方もひとつの在り方として、どうやって引き受けて行くかってのを課題にしてお付き合いしていったってところが良かったんだ。このテーマをあえて概念化してみると、“既在の了解”って感じになりそう。

たぶん、こうしたテーマを描くことって難しいだろうな。それこそ深刻な戦争映画とかでないとうまく描けないことだと思う。アマゾンズは残酷描写全然OKなネット配信の特撮ドラマであったからこそ、最初から最後まで、このテーマを貫けたんだろうな。

いやはや、2016年にシーズン1の配信が始まってから今日に至るまで、いい経験をさせてもらえました。楽しかった!