『スターウォーズ/最後のジェダイ』の感想(とりあえず)。

とりあえず、3回観た時点での感想です。あんまりネタバレはしてないつもりだけど、これから観る人は読まないほうがいいかも。




スターウォーズ/最後のジェダイ』の魅力は、その過剰さにあるんじゃないかな?

過剰に劇的、過剰に詩的、過剰にユーモラス・・・。過剰なロマンスはなかったけど、微妙な心の交流はあった。最後のジェダイは、ずっとオーバードライブしてるんだ。

そしてこの過剰さは、ライアン・ジョンソン監督の問いかけでもあると思うな。これは僕の解釈かもしれないけど、この行き過ぎ感、やりすぎ感をどう理解するのかを、観客に問いかけているように思える。

っていうのも、こんなやりすぎる必要はないんだよ。品のいいディズニー映画に収めるなら、そこそこの演出に留めとけば批判はなかったと思う。でも、最後のジェダイはオーバードライブして内破気味になっている。

もし監督が単なる職業監督ではなくて、真摯な表現者であるのなら、そこにはきっと意味があるはずだ。少なくとも監督の『ルーパー』は意味のある映画だった。ということは、スターウォーズは確かに娯楽映画のたぐいであるのかも知れないけど、ちょっと映画と対話してみるのもアリだと思うんだ。

では、最後のジェダイのオーバードライブ感はいったい何なんだろう?ちょっと根拠が薄いけど、直感的には、僕は皮肉や当て擦りなんじゃないかなって思ってる。何に対する皮肉や当て擦りかっていうと、それはエンターテイメントに特化して意味がそぎ落とされた映画に対してだ。

「みんなこんなやりすぎ映画観てるよね?スターウォーズでもそれやっちゃうよ!wwwwwwでも、そこには君たちが望むような気持ちよさはないんだ。なぜなら表現者は観客の延長物じゃないからだ!」みたいな監督の心意気を感じてしまった。つまり、凡庸化された演出を逆手にとって、表現したいことを表現している。

そして、最後のジェダイのテーマは価値の没落にあるようだ。ひょっとしたら監督は、この映画とともに凡庸なエンターテイメント映画を滅ぼしてしまいたかったのかもしれないね。

でも、今の段階だと根拠が薄い。直感としか言いようがない。

あと何回か劇場で観る予定だけど、なにか意味が見つかるといいな。