やさぐれ平佐 ~序~

平佐は良い男ですが、悪い団体に所属していました。この団体は、人を脅したり悪いことをします。平佐はそうした悪いことをするしか方法がなかったので、良い男ではあるけれども、悪いことをする悪い団体に所属するしかなかったのです。平佐はAという街でトラブルを起こし、Aにはいられなくなってしまいます。そのトラブルというものは、平佐の悪意のもとで起こされたものではなく、平佐の良い部分が比較的発揮され、かわいそうな人を哀れんだところ、それは悪いことだと判断され、折檻されるという悲劇でした。平佐は悪い団体の力を借りて、平佐から平吉になります。平吉になった平佐は、平吉としてAを出て、Bという村を目指します。Bに行く途中で様々なことがあったけれども、平吉は無事にBにつきました。BにはAから出向しているCという人間がおり、CはBのDという人間に借りがあるため、まっとうな人生を送ることができませんでした。平吉はBのある店でDに会い、Dから、Dに借りを作ったCという人間がいることを聴かされます。平吉がDと会った店はBの中でも名の知れた小料理屋でありましたが、Aにある小料理屋と比べると、中の下といった感じです。Cという人間の存在を知った平吉は、みるみると顔色が変化し、富田吉になりました。平佐であり平吉となり富田吉に変化をした元平佐の平吉は、富田吉としてCに会いに行くことになってしまいました。しかし、富田吉はCの居場所をしりません。知らないという理由から、富田吉はBに住んでいるBの通りを歩く人間にCの場所を訪ねます。「すみません」という声をかけて呼び止めては、「Cの居場所を知りませんか?」と訪ねます。「Cの居場所を知りませんか?」とも訪ねます。こうして3年の月日が流れました。

~続く~