スーパーエンジェル。

class-夢。

光景-テレビ番組。




「スーパーエンジェル」という番組がある。


もちろん夢の中の番組なのでそんな番組はないのですが、「スーパーエンジェル」という番組があります。

それは特撮番組です。
1960~70年代に作成された特撮番組であり、カルト的な人気があります。

なぜカルト的な人気があるのかというと、そこには理由があります。

この番組は、ヒットすることを狙って計画的に作られたものではありません。
実は、「スーパーエンジェル」の前の番組が打ち切りになってしまったので、急遽穴埋め的に作られた番組です。
計画的に作られたわけではないので、この番組に登場するセットや衣装には、統一された意匠がありません。
デザインはまったく統一されておらず、しかも、小さい子供が興味を持つように派手な色合いが採用され、毒々しい色彩をもつメカや怪人が登場します。
ひょっとしたら、60~70年代のサイケデリックな流行を取り入れて毒々しい感じになったのかもしれません。

しかも、急遽作られただけあって、特撮が酷すぎます。
メカや怪人は作りこまれていないので、ディテールがないに等しいです。
アップに耐えられない。
変な効果音や派手な爆発でごまかそうとしているんですが、その効果音もただ“変”ってだけでぜんぜん場面に合ってないし、爆発だって花火を上げてるだけに見えてしまう。

役者も演技が出来る人ではなく、駆け出しの新人女性アイドルが採用されています。
女性の特撮戦隊なので「スーパーエンジェル」というわけです。

この番組自体は対して人気が出るわけではなく、単に“穴埋め”という役目を全うして放送終了したのですが、放送終了後、戦隊の女の子の一人が売れ出します。
この女の子は人気者になっていろんな番組に出演するようになるのですが、持ち歌がありません。
持ち歌が、「スーパーエンジェル」のテーマ曲しかないのです。
ですからこの女の子は歌番組で「スーパーエンジェル」のテーマ曲を歌いまくって、この特撮番組も知名度を上げていったのです。

しかし、再放送されることはなく、当時リアルタイムで見ていた人は皆無に等しかったので、「スーパーエンジェル」のテーマ曲はみんなが知ってるけど番組自体は一部のマニアしか知らないというおかしな事態になり伝説の特撮番組となっていったのです。

そして、近年この番組はDVD化され販売されるようになり、また人気が復活してきたそうです。