その豚キムチラーメンは伸びている。

僕が住んでいるアパートの近くに、新しくコンビニができました。

新しいコンビニというものは良いものですね。

なぜなら、床がぴかぴかしていて、面白い気分になってくるからです。
床がぴかぴかしていると、そのぴかぴかした感じは店内の商品とか、その商品に視線を送りながら「どの商品を購入すべきか?」と思い悩んでいる僕の姿とかを映しこんで、面白い気分になってくるのです。

そのコンビニの店員さんも、個性に飛んでいます。
日中は、日本以外のアジア系のお姉さんがレジを打っています。
たどたどしいカタコトな日本語を使われると、それだけでかわいらしく見えてしまうものです。

深夜には、おそらく大学生であろう青年がレジを打っています。
彼は、おそらく、まじめだけれど仕事に慣れてないのだと思います。
言葉を噛みながら、何度も何度も決められたせりふを繰り返します。
そして、商品の中に分けるべきものがなかったとしても、「袋はお分けしましょうか?」って言ってしまうのです・・・w
・・・微笑ましいですね^^・・・今度、「分けてください」って言ってみます・・・そうすれば、彼は何と何を分けるべき商品と思ったのか理解できるはずです^^

深夜は、副店長も勤務しています。

で。

この副店長。

僕は不快感を感じていました。

っていうのも、気合が入りすぎなんですwww
よく言えば体育会系なんですが、声はでかいし動きは力が入りすぎてぎこちないし、たまにレジを打ってくれるんですが、緊張感ばかりが伝わってきてしまって、雰囲気が悪いんです。
そのぎこちなさが、客を威嚇しているみたいで気分が悪いんです。

・・・いや・・・まぁ・・・見た感じ年齢も若いようだし、副店長だからいろんなプレッシャーをあるだろうし、大変だってのはわかるけど、お客さんを緊張させちゃダメだろうなぁ。。。

で。


この副店長は不愉快なんですが、僕は考え方を変えてみました。




きっと彼はビビッてるんだ。

社会が怖くって怖くって仕方がないんだ。

怖いから、大きな声を出して、客を威嚇しているんだ。

小動物と同じだね。

もし、彼がこのままぎこちない感じで仕事を続けたら、あんまりいい結果は残せないだろう。

何より、客の僕が不愉快に感じているわけだから、仕方がないw

怖がっている小動物を落ち着かせるにはどうするのか?

安心感を与えてあげるんだ。

僕はこの副店長とは何のかかわりも持っていないし、なんの縁もないんだけど、もし、僕が彼に安心感を与えてあげられるなら、それは、笑わせてあげることなのかもしれない。

いつか、彼にレジを打ってもらっているときに、笑わせてあげることができたら、きっと彼の緊張感も解けるだろう。
そうしたら、いつか、きっと、彼は面白い仕事ができるかもしれません。

そうしたわけで、僕はこの副店長を“不快な人物”として排除するのではなく、“怖がりな青年”と捉えて、いつか笑わしてやろうと心に誓ったのでした。




さて。



今日もこのコンビニに行ったのですが、駐車場に青年がいます。
その青年は、お湯を入れた豚キムチラーメンを傍らにおいて、ケータイをいじっています。
湯気がもくもくと出ている様をみると、出来上がるのを待っているようだ。

今日、僕がコンビニで買い物を済ませるまでにかかった時間は、本を立ち読みしていた時間も含めて10分少々です。

コンビニから出てくると、彼はまだラーメンを食べてません。

・・・きっと・・・その麺は伸びているんだろうけど・・・まぁ・・・それはそれで・・・いいんだろうな・・・それもまたアリだろうな・・・まあ・・・いいや・・・だがしかし、僕が「その豚キムチラーメンは伸びているんだ!!」って大きな声を出したら、きっと僕はぎこちない副店長に通報されるんだろうな・・・なんか・・・いいや・・・もう眠いしw