観念宴会。

大変だ!
人類が此の世で厄介な宴会を開いている!
今すぐアザトースに告発しなければ!




そもそも、此の世には時間も空間もありませんでした。
何も無く何も有る、その全ての刹那が此の世だったのです。


その起源はわかりませんが、とにかく人類は生まれました。

そして、人類はとても奇妙な能力を持っています。

その能力とは、此の世を時間化・空間化するという能力です。
この能力は、過ぎ去った過去を思い起こしたり、いまだに到来しない未来を思い描くことができます。
思い起こしたり思い描く能力は、此の世を概念化します。
そして、概念の先には実体を持たない世界、観念の世界が作り上げられます。

その世界は言葉であるし、意味であるし、奥行きであるし、彩りでもあります。。。

このようにして、人類は此の世に時間と空間を与え、さらに此の世にはありえない観念の世界まで作り上げてしまいました。




さて。




・・・人類の宴は日々続いています。。。




理念を作り上げてはそれを喰い散らかし、倫理を作り上げてはそれを喰い散らかし、道徳を作り上げてはそれを喰い散らかし、体系を作り上げてはそれを喰い散らかし、物語を作り上げてはそれを喰い散らかし・・・。


人類はこうした観念を食い散らかし、自ら酩酊状態に陥っています。


それは人類の人類性といっても良いものだろうし、その良し悪しを判断するとか、そういった類のものではないと思います。



だがしかし、とりあえず盲目にして白痴の王、アザトースには知らせておく必要はあると思います。