97年の10月(カビの次に見た)。

前半は忘れた。
何かに当選したのか、何かのひょうしに、僕の部屋に、オレンジ色の円形状のプヨプヨした胴を持ち、赤いヒヨコのような足をもった生き物が何羽もはなたれました。
それはすぐに部屋のどこかに消えていった。
それはなぜかとてもうれしいもので、いい気分がしたが、それと同時に、それは将来、ゴキブリのような虫になるのだということに気づいた。
あせってゴキジェットを使い、まちがえて一匹にそれをかけてしまいました。
しまったと思ったが、それはまだ生きており、「よかった。死なずに早くゴキブリになってくれ。」と、ゴキブリがとてもきらいなのにそう思いました。
そうして見ていると、そのオレンジ色はよろよろと、タンスの中の洋服かけの上にとまり、ゴキブリになるための準備を始めました。
また、「がんばってゴキブリになるのだ」ともまた思った。
そのオレンジ色は明らかに弱っていて苦しそうだった。
まゆみたいな糸にくるまれてその中からでてきたのは、ゴキブリ以上にグロテスクで灰色と黒が混ざったお化け便所コオロギだ。
僕は、もうこれ以上ないほどのいやな気分になってゴキジェット片手にその虫を追いかけた。