残り2秒。

class-夢。

光景-実家。



おそらく年末だと思います。

僕はコタツのある部屋で、新聞のテレビ欄をみています。
どの局も、年末の特別番組を放送しています。
タツのある部屋から台所に移動して、僕は家族と年末の特別番組をみることにします。
その番組は、たいして面白いものではないのですが、富士山山頂での初日の出を特集したもののようです。

番組を見ているうちに、家族で富士山山頂に行き初日の出を見ようということになり、みんなで富士山山頂を目指します。

夢の中の富士山は、現実の世界以上に観光地として整備されています。
頂上まではロープウェイか何かの移動手段が整えられており、誰でも、なんの苦労もなく、短時間で山頂に行ことができます。

山頂はとても晴れており、穏やかで、プレハブのような山小屋でみんなで一息付きます。。
プレハブの近くにはお土産の販売店があり、数々の富士山グッズが売っています。
そして、その近くに観光用に整備された洞窟があり、みんなでその洞窟に入ってみることにしました。

洞窟の手前には祠があります。
その祠は、短い洞窟の中に二つあります。(入ろうと思った洞窟とは別の洞窟)
その短い洞窟には、足の膝くらいの高さまでお湯が張られています。
そのお湯は温泉のように自然に湧き出たお湯で、ここにお湯が湧き出ていることから、神聖な場所として祠を建てて祀っているようです。
この祠への参拝いの仕方は決まっていて、入り口に置いてある将棋の駒の「歩」を持ってお湯の中に入り、祠まで歩いて行き、祠に「歩」を供えて手を合わせれば、なんだか願いが叶うというものです。
・・この「歩」は200円するようです。。。

・・まぁ・・・なんていうか・・・観光地の客寄せみたいな胡散臭さも感じられる祠なんですが、せっかく来んで、洞窟に入る前にこの祠に「歩」を供えることにしました。
友達と一緒に入ったのですが、200円払ったのに「歩」が一つしかありません。
祠は洞窟の中に二つあるのに「歩」が一つしかないのです。
よく見ると、「歩」ではなく「角」があったんで、僕は「歩」と「角」を持ってお湯の中を歩いて行きます。
そのお湯は、温泉とはいっても入浴用ではないので、なんだか藻や苔みたいなものが浮いており、ちょっと不衛生です。
そして、そこそこ熱かったので、僕は「熱い熱い」と言いながら、ちょっとおどけながら、祠に「歩」と「角」を供えて戻ってきました。
祠は二つあるんですが、僕は左奥の祠の方に「歩」と「角」を供えました。


祠への参拝が終わり、最初に入ろうとした洞窟に向かおうとしたら、下山命令が出たということを知らされます。
どうやら、予期せぬ事態が起こる可能性があるので、急遽下山しなければならないようです。
それは政府からの命令であるのですが、予期せぬ事態がどんな事態かは教えてくれません。

僕らはプレハブに戻り荷物をまとめます。
一泊するつもりで来ていたから、荷物をカバンに詰めるのに手間取ります。
一緒に来ていた小さい3~4歳くらいの女の子が困った顔をしています。
お母さんとはぐれちゃったみたいです。
僕は女の子の不安をなだめて、一緒にお母さんを探します。

みんなスムーズに下山できたみたいなのですが、僕と死んだおばあちゃん(現実の世界でのおばあちゃんは、もう10数年前に死んでいる)と、その他数名はもたついてしまって、なかなかプレハブから出れずにいます。

すると。
「政府緊急災害用~~」と記載された看板が目に入り、そこにカウントダウンの数字が表示されます。
カウントダウンは、いきなり2秒前から始まりました。
僕は、このときになり、「ああ。富士山で避難すべき事態といったら、噴火じゃないか。きっと政府は噴火の予知システムを稼動させているんだ。そして、噴火の前兆を確認したんだろう。だから、下山命令を出したんだ。ここは山頂であり、火口も近くにあるはずだ。早く気づくべきだった。ひょっとしたら、もう僕らは助からないんじゃないのか?」と思いました。

そして。
カウントダウンが0になり、サイレンが鳴り響き、地響きとともに噴火が始まりました。
溶岩は瞬く間にプレハブの近くに迫ってきます。
死んだおばあちゃんは慌てて立ち上がってプレハブの出口に向かいますが、もう溶岩はそこまで来ています。

避難する術はあるのだろうか?というところで目が覚めます。