白タキシーズ。

class-夢。

光景‐実家周辺。

そのものは、ある時はユーモラスな老人であって、ある時はじゃれついてくる人懐っこい犬であって、ある時は中堅のお笑い芸人である生き物である。

この生き物のことを、仮に「βの搾取」と名付ける。

僕は「βの搾取」と散歩をしている。

それは何かのゲームのようで、いろんな人が参加している。
それぞれがそれぞれの相方と一緒に散歩をしながら、面白いネタを作って、ゴールで披露するというものだ。

僕と「βの搾取」はお互いに白いタキシードを着て散歩をしている。

「βの搾取」は、まずはユーモラスな老人の姿をしている。
彼は穏やかであり、「アグレッシブな笑い」というよりも「高齢者のもつ包容力のある笑い」というか、ユーモアのある笑いのセンスがある人で、会話をしていてとても楽しかった。

次に彼は、人懐っこい犬の姿になる。
犬とは言葉は通じないのだけど、気持ちは通じているようで、じゃれあいながら遊んでいた。

そして、ゴール付近になると、彼は中堅のお笑い芸人に変化する。
このときになると、お互いに暗黙のうちに「間」の取り方がみについているというのか、すごいくだらないことをしてもウケをいただけるような状態になっており、お互いに大笑いしながらゴールをめざした。