嵐の海。

風が強い。

風が強いと確率に奥行きが付与されます。

その奥行きは“予兆”と呼ばれます。

予兆的になるとワクワクして心の下にある不在の部分がぞわぞわしてきます。

風が強くて雲が出ていて満月だったりしたら最高の予兆感を味わえます^^






世界にはいろんな人がいます。

世の中で重宝される人間は、客観に映える人間です。
彼らは、経済や株の動きとか流行などに敏感です。
そうした動きが見える人たちです。
それは目に見えない観念の世界を実体化させてみているようなもので、人のもっている素晴らしい能力のひとつでしょう。

別の類いの人たちがいます。

それは妄想に映える人間です。
彼らはまったく実用的ではないような意味の繋がりのなかで戯れることを得意とします。
世の中であまり重宝されない。
彼らにとっては、海はクトゥルフであり、予兆はアザトースであり、暗闇には食屍鬼がいて、死んだ祖母の視線は10年後の直感の予感でもあるのです。

そうした妄想に映える類いの人たちにとって、今日みたいに予兆的な風はありがたいものです。

楽しくなれる。


BGMには、平沢進の「嵐の海」が最適です。

産道から生まれる成人男性の警告に妄想で応答することができる。