97-eon。

・・・34じゃないんです。。。

まして21でもないし、49でもないんです。。。

仮に2年後は68だとしても、12ではないし、63であるはずもなく、34じゃないんです。。。

確かに73日前は34であった可能性もあります。

だからといって、今34かといったら決してそんなことはなく、よしんば34だとしても、その34は決して34的な34ではなく、むしろ37的な34というべきであり、以上の正常で合理的な理由から、34であるはずはないんです。

では、果たしていくつなのだろうか?

それは。。。

・・・97なんです。

34ではなく97なんです。。。

朝起きて、僕は97だということを知ることができたんです。
なんだか、憂鬱な曇り空もうれしく感じられて、昨日までの虚無に“ありがとう”とお礼を言って、僕は出勤しました。

先日出た健康診断の結果は、中性脂肪がEランクでり、血糖がCランクでありました。
それはそれでちょっとショックだったんです。
しかし、昨日はお酒も飲まずに寝たし、熟睡できたし、なにより97だからへいちゃらです。

朝礼も終了して、今度は朝の部署内ミーティングです。

のどが乾いたんで、ドクターペッパーを買いました。
僕はドクターペッパーが好きなんですが、あまり飲まないようにしているんです。
特別な理由があるわけではないんですが、なんだかドクターペッパーを飲んでいると、“あ。ドクターペッパーを飲んでいるのだね。”と声をかけられたり、“あ。ドクターペッパーなんていう少しだけ変わった味の飲み物をよく飲めるものだね。”と、奇異と偏見の視線にさらされます。
だから、ドクターペッパーを飲むときは、ちょっと注意が必要になるんです。
僕のキャラクターをよく知っていて、なじみ深い友人が周囲にいることを確認してからでないと、容易に飲めないんです。

だ。

が。

・・・だがしかし。。。

僕は97です。

これはもう、ドクターペッパーを買うべき値です。

そうしたわけで、僕は自動販売機でドクターペッパーを購入し、朝の部署内ミーティングに挑みました。

そうして、僕は僕の席につき、僕は僕が購入した僕のドクターペッパーを僕の意志と僕の意欲に従って開けました。。。





・・・僕の祖母はもういません。。。





僕が高校3年生の頃、この世から脱出しました。

若い頃はお産婆さんだったそうです。
戦後まもない頃、お産婆さんとして、地域のなかで活躍していたそうです。
男勝りで気が強く、意志の強い女性でした。
となり町でお産婆さんの力が必要だとされると、自らの足のみを頼りに、歩いて山を越えてとなり町に向かったそうです。
僕も、そんなりりしい祖母に取り上げられました。
実は僕と同じ年のいとこも、そのいとこのねーちゃんも、祖母に取り上げられました。

祖母がりりしく力強かったのには理由があります。

それは、祖母の夫、つまり僕の祖父はビルマで戦死してしまったからです。
どうやら、不在の父性の肩代わりを祖母はしていたようです。
もちろん、僕もたくさん怒られましたw
テレビゲーム(もちろんSG‐1000供亜亜砲个りやっていると、怒られて実家の裏にある倉庫に閉じ込められたこともあります。

そんな祖母は、僕に語りかけます。

“おまえは人よりやることが遅いんだ。なにかをやり遂げようとするには、人の倍頑張らないとならない。でも、大丈夫。おまえには粘り強さがあるから、頑張ればきっとうまくいく。”

小さい頃はアトピーがひどくて、薬を飲んでたものだから年中眠くて、僕は個人的にアトピーと薬のせいだと自己弁護しているんですが、集中力に乏しい人間でした。
高校を卒業して心理を目指そうとしたけれど目標の大学に行けず別の大学に進学することになり、その後工場で働きながら悩み、哲学やって現象学やって、結局、現在は精神保健福祉士として精神科で働いています。

・・・高校の頃思い描いた通りではないけれど、紆余曲折しながらも関連領域で働くことができている現在を考えると、祖母の言葉もあながち嘘じゃないようです。

そして、祖母は人よりやることが遅い僕に、“男だから勇気を持って頑張れ。”ともいいます。
僕は思い悩む性格だから、何かを実行するための決断力みたいなものが欠けていると判断したんでしょう。

僕は、この世を脱出した祖母の言葉を胸に、勇気を持ってドクターペッパーを購入し、それを飲もうと開けたんです。

そして、97は炸裂します。

97は、ドクターペッパーの泡に炸裂します。

ドクターペッパーを開けたとたん、泡が勢いよく飛び出してきたんです。。。

僕は、飛び出す泡の勢いに挫けまいと、あわてず、冷静に、ただ淡々と、急いで泡を口で吸い上げました。

しかし泡は止まってくれません。

97は泡に炸裂しているんです。

だから、泡は名状しがたき勢いで噴き出し、僕の口の周りと、真っ白なYシャツと、黒いズボンを汚していきますw


・・・瞬く間に僕はドクターペッパーまみれになってしまったのです。。。




97だと知ったのは、朝早く起きたからです。
朝早く起きて、PCを立ち上げる余裕があったから、僕はブラウザを開き、ヤフーのメイン画面を覗きました。
僕は占い欄を僕の星座である天秤座に設定してあるので、ページを開くと今日の運勢がわかります。

そして、今日の運勢は97点だったのです。

だからこそ、僕はご陽気であり、ドクターペッパーを購入したのであり、朝の部署内ミーティングにテンション高めで望んだわけです。




だ。

が。

だがしかしこのざまwww

ドクターペッパーは僕の衣類を犯していく。。。

いったいこれはどういうことなのだろうか?

占いは嘘だったのだろうか?

これじゃあ97なんかじゃなく、むしろ34というべきではないだろうか?

僕の97点的希望なんてどこにもないのだろうか?

だがしかし、一つだけ確実に97点的な部分があります。

それは、ささやかな笑いをとれたということです。

みんなが仕事を始める前に、ささやかな笑いをとることができ、和やかな雰囲気にすることができたということです。

これが、これこそが、このみんなのささやかな笑顔こそが、僕が望む97的性質の運勢であり、幸福な出来事なのです。

確かに、僕の衣類はドクターペッパーに犯され、乾いた後もべたべたして、一日中不快であったことには違いありません。
しかしそれ以上に、僕とすれ違う度に、職場の同僚は朝の出来事を思い出し、笑顔になってくれるんです。

(決して哀れみや同情や蔑みの笑顔ではない・・・はず・・・w)

そうしたわけで、97は泡に炸裂し、ほんの少し身を切る幸福が訪れたわけです。

祖母に感謝^^